宿題

今日は歌い踊りまくりました。稽古中でも泣いたり笑ったり、忙しい日でした(笑)

ミュージカルはいいですね。喧嘩の癖に何で歌い出すのさ、というよく言われる違和感ですけど、うまく繋がったら、歌やダンスすることで、テンションが何十にも倍増されていくわけですよ。

 ハーモニーは、本当に一体感を感じられるし。人からもらえるものは計り知れないです。

 でも逆に、削ぎ落としたものも実は好きです。

 大貫妙子さんというシンガーソングライターのファンなのですが、言葉と音楽が同時に生まれたんだろな、ていうのをすごく感じます。ジャストフィットしてシンプル。正直。

 でいて、奥行きがあるし深いのです。

 日舞も、そういう意味で、意外と地唄舞が好きです。例えばゴージャスな藤娘の囃子方だけの間奏も、躍動感があって好きですが。

昔、誘われてイランに行った時、朝、水辺でコーランを詠む声がしたのですが、実にいい声でした。歌のようでした。

もちろんアカペラですよ。でも、深くて、あたたかくて、どこまでも響いて、心地よかった。その人は、神に祈っていたわけで、みんなにアピールしてたわけではない。それがかえって、ストレートに感動したのかもしれません。

 以前、ある音楽人と話した時に、自分は、音楽をやってれば楽しくて、人前だろうが何だろうが、変わりない。むしろ、アピールしたり、パフォーマンスしたりすることは何なのかと言われました。正直、分からなくなりました。

 色々話して、聞いたことないけど、本当に魅力的な演奏をするんだろうなという方でした。

 ただ、綺麗な清流の対岸にいる方のような気がしました。

惹きつけられてこちらから近づくけれど、川を渡ることは出来ないような。遠いけど、そうあって欲しいような。

 その人の話は一つの宿題のように、心に残りました。

魅力があれば、媚びはいらないという話なのか。違うんだろな。

私はどちらがしたいか分かりません。確かなのは、芝居の為の芝居や、音楽の為の音楽じゃなくて、その先に誰かがいて、交流したいと思っている。だから、色々な表現ができたらいいなと思います。

またその人に会ったら、何かは言えるかな。