ものづくり

 ひー寒い(>_<)各地で初雪だそうな。

 音楽劇「僕は世界に片目を閉じて」を観に行きました。元ステップスの理恵とともちゃんがダンサーで出演。シャープに舞台をしめていて素敵だった。

 ベトナム戦争時に活躍した報道カメラマン、一ノ瀬泰造安保闘争に投じた青年の友情物語。狂乱に見えても確かな熱い意志があった。こういうの、て難しいと思う。当時の若者の熱さや厳しさて、私達世代に体現できるのかな。好きでやったんでしょとか、茶番に見えたら悲しい。でも舞台の熱さはリアルだった。携わった方々が皆真摯だからなんだと思う。ものづくり、て、信頼だと思う。それが伝わってきた。

この作品には実は密かなご縁がある。初演は三年前。まだ本もできる前、理恵が、作曲をしてみない?と脚本の内堀さんを紹介してくれた。作曲は趣味だ。楽しい。でも仕事としては、ピアノの劇音楽をちょっと作ったくらい、本格的なオーケストレーションは経験も知識もない。迷った。作曲やパソコンを学ぶ時間と俳優の時間。

本の中の歌詞にメロディーが浮かぶ。作るなら徹底的にいいものにしたい。が、劇団の中の俳優業を大切にしたい。不器用だし半端は嫌だ。学生時代の後輩、たけちゃんを紹介した。プロではない学生サークルとはいえ、彼はパソコンで音楽を作り、脚本も書いていた。少し不安だった。紹介というのは、自分が何かするより怖い。改めて理恵に感謝したしすまないと思った。

初演は稽古で行けなくて、気になっていた。観て、紹介して正解だと思った。男の友情。私では分からないことがやはりあったと思った。本と音楽が、物語の中の二人と同じように信頼し合っている。

ふと、歌が飛び込んだ。昔私はこの言葉を見た時、違うメロディーが聞こえたんだと瞬間的に思い出した。ちょっとたけちゃんが羨ましくなる。私、怖じ気づいただけだったのかな。不器用なんて言い訳で。今に後悔はしてない。ただ、揺さぶりをかけてくれる、背中を押してくれる人との繋がりに感謝したし、感慨を覚えた。

たけちゃんは、辛辣なこともアンケートに書いてくれる信頼できる後輩だ。少し連絡がとれていなかったが、最近丁寧な年賀状が届いた。不況な時代、好きな事で食べてくのは大変だけど、彼は紆余曲折しながら、自分の道を見つけたようだ。頼もしかった。

時は流れる。確実に。私も、前に進もうと思った。