つづき

私は何かあると、歌えなくなります。歌始める前からも、結局同じような時、曲を作ってきたと思います。

　恥ずかしいけど、初めてのきっかけは思春期。もやもやして、どうしようもない時そばにピアノがあった。救われた。

　次は、好きな人がいて、好きなのに憎らしくなったり、彼の自由さや純粋さが疎ましくなったりしたから。言葉じゃとても恐ろしくて言えない。ま、それも好きな気持ちだったんだろうけど、当時は自分が怖くなって、壊れてしまうと思いました。本当に彼の幸せを祈る曲も作りました。でも言い訳みたいな気がした。

もちろん、未来のこと、片思いのころのことも作ったし楽しかった。嬉しい気持ちも。

　が、しばらく作れませんでした。なんだか綺麗な曲で残酷なことをごまかすみたいで。でも何かあると、ためこめず、ピアノに向かいました。言葉は同時に心の中にはある。でも、言葉だと言い尽くせ無かったし、足りなかった。ずるい気もした。

　その後、お芝居を見て弾くことをたまたまさせてもらった時、写生会を思い出しました。うわ、こんなにすぐ弾けるのか。もらえるものが詰まった空間。すごいなと。

　私、絵は好きなのですが、うまく描きたりない。音楽はわりと一瞬で作れるから、楽だな、て思いました。技術はないので、上手じゃない。でも、嘘はついてない。

劇音楽などやらせて頂いたりもし、やがて、ものを生むのがニュートラルにできるようになって。

今は弾き語りの曲も作れる気がします。お芝居上ではない現実のことだから、作りたいなと思う、感じることも、また出てきました。

でも作曲は勉強したくないような…取り上げられたくないな…らくがきのような曲を作れたら、と昔から思ってきました。取り上げられたら、私は壊れますので、多分。

ミュージカルはアラカルトです。でも実はシンプルでダイレクト。人間の欲求に正直。音楽会より、よっぽど音楽してると私は思います。

音楽のもとの話をしてたのに…それたな。ま、音楽を生む瞬間は、芝居をしながら色々な人やものと交流する瞬間に似てる。見てる以上に。歌い始めたり踊り始めたりの直前の感覚とも。

私には一つの事。で、何を選ぶか決めなきゃいけなくなったら考えるけども…

ミュージカル女優で良かった。色々あったから、表現が楽になれたんです。社会的になれたというか。

ようは、コミュニケーションてことを学んできたんだなあ。