思い出

今日はバンド稽古。1ヶ月前も同じように書いていた気がしますが…

朝早いので電車は座って寝ていきました…

二年前のヴェローナ物語は、あらしのよるにの直後で稽古も短く、記憶があまりにも曖昧で…稽古も時間がかかりました。完全に乾いた脳みそで、ふらふらと変な思い出が…

 大昔、中沢新一先生が、シラバスで、早く大人に期待しないようになれと書いていた。先生の授業は面白くて、他大学の生徒も大勢来た。

 比較宗教論の講義だった。私は大人数の熱気で寝てしまい、怒られ、正門まで謝りに行こうとして、会えずじまいだった。結局、謝ったところで、私の自己満足で終わるのだと思うと、帰る足取りも重くなった。なんてバカだったんだと。

 結局、片思いのような関係だろうと感じた。私は、先生が有名だったり、人気者だったりする事には興味が無かったけど、なんでそんなに人気があるのかは興味があった。でも、本当の魅力は知らなかった。今思うと、学生なら本を読み、思想を学ぶべきなのに横着していたのだ。ただその人が苦手な自分が嫌だった。

最後の授業の時、先生に、芝居を隣の教室で友達がやるから、大教室に移動して下さいと頼んだら、先生は驚いた事に怒らず笑った。君は芝居をやるのか、と言った後、すぐに移動してくれた。

人だかりを離れて二人で歩いて、これが唯一の会話。

 僕は実は来年からまた海外を放浪する。とどまるのは嫌いだからね。君は?

私もとどまることが出来ない性格です、と言おうとして言えなかった気がする…本当は自分がどちらの性格か分からなかったから。今も分からない。

ただこれだけは言える。ドンジュアンの事は理解出来ないけど、寅さんの事はもの凄く理解出来る。彼が何故、ああいう恋愛をし、ああいう生き方をするか。

私が学生の頃、選ばなかった選択肢の代わりに。後悔は全くしていない。

してないが、たまにひるんだ時、あの中沢新一シラバスの写真が蘇る。一人だけシェークスピア劇の俳優のように写っているあの。

 思い切りやれ。甘えずに。言い訳せずに。でも自由にやれ。やっていいんだよと。