幻のイケメン

私はかつて非常に惚れっぽく、しかも一目惚ればかりしていました。以前、B型の人には弱いと言いましたが、イケメンも私にとっては天敵だったんです。

しかし、イケメンと写真をとると、へこむ。10代でこの衝撃に直面した…

以来、綺麗ではなく、面白いと言われる線を目指すように生きることにした。

これは、女優としたらいけない事よ。まあ、女としても、そうだけどさ。

と思っても、面白いと言われるとほっとし、綺麗と言われると疑わしい。真面目にあの時、へこみましたから。

イケメンが、トイレに行ったり、あくびをしたりするだけで、私はビビっていましたからね。

愚かでした。

やがて、彼らも人なのだと分かると、気づいた。綺麗な顔も奇形だと。

そう思ったら、大丈夫になりました。顔のせいで、誤解したら可哀想ですよ。

 今は固まったりゆらいだりしません。

 それに、顔だけではなく、会話しているうち魅力を理解することも男女問わず学びました。いい男や女は、イケメンや美人だけとは違う。

 ただ、おそらく私が10代に衝撃を受けたイケメンより、ずっとイケメンに出会っているはずなのに、あのような衝撃はもうないんです。不思議だ。

 確実に言えるのは、完全に心を持って行かれる人というのはいるということ。おそろしや〜

 あれは、悪魔だったか天使だったか。分かりませんな。