芥川について

長くなりますが、個人的な芥川についての思い☆

芥川龍之介は、あの風貌からして、カミソリのように頭が切れる怖い人、てイメージが私あります。

でも、奥さんの随筆を読んだ事があって、自殺未遂を繰り返した頃、家族会議がよく開かれ、死ぬのは勝手だが、回りに迷惑をかけないでくれという意見が出た、というエピソードがあって。

太宰治三島由紀夫川端康成…、みんなロマンチストなのかな。小説家って。

貧しさから心中せざるえない人や、死にたくないのに死んでいかなきゃいけない人から見たら、どうなのかな…

いやいや、やっぱり否応なく、理想と現実が見えてしまうんでしょうね。

で、その苦悩が、全部自分にかかってきてしまうというか。

色々な文学って、つまるとこは人を信じていいのか、人は愛し合えるのか、てとこに行き着く気がします。

どういう切り口で表すかの違いで。

私、芥川ショウの頃、色々に行き詰まって、一人で芥川龍之介のお墓参りに行った事があるんです。

(前も書いた事あるかも…すみません)

墓地に入った時、すがったところで、答えが出るわけはないと独りでに思いました。

ただ、お墓に水をかけていた時、
「どんな事があっても、あさましい人間にだけはなりたくない」という言葉がリフレインしました。

ただ自分がそう思っただけかもしれませんが、私には芥川龍之介の声のような気がしたのです。

正直にカッコつけないで生きたいという思いと同じくらい、やっぱり人は、あたたかくありたいとか、謙虚でいたいとか、色々願うものなんじゃないのかな。

そういうのがなくなってしまったら、あまりにも世の中悲しすぎるんじゃないのかな。

芥川は、潔癖すぎな気もするけれど☆
わかりやすい文章で、様々な理想と現実のギャップを端的に繊細に表し、謎かけを鮮やかに見せる、やっぱり天才だなと思います。