祈り

今、有線で一位のクミコさんの名曲。

被爆した後遺症で、12歳の若さで亡くなった女の子。広島に、折り鶴の像があります。彼女のお兄さんの息子さん、つまり甥っ子の佐々木さんがシンガーソングライターで、この歌を作って、学校などを回って歌われた。

偵子ちゃん。彼女のもとに千羽鶴が送られていたそうです。偵子ちゃんも、生きたいと鶴を折り、最後は針で折っていたとか。

苦痛を表さず、周囲に笑顔を絶やさず、感謝の言葉で亡くなったそうです。本当は、こう言いたかったんじゃないか。佐々木さんはそう思って作られた。

クミコさんの「届かなかったラブレター」を聞いた彼が、共通するものを感じ、頼みます。

しかし、クミコさんは自分は被爆者ではないし、社会的な責任のある歌は歌えないと一度は断る。しかし、被爆者や関係者でない方が歌うからこそ意味があり、広がっていくのだと言われ、歌います。アメリカにも行って歌うことになり、とても怖かった。でも改めて、平和への思いは同じと実感。

明後日は同時多発テロが起きてまる9年。テロの被害者と被爆者の思いも同じ。おそらく歌われるでしょう。

私は、ライブ前にCDを頂いて驚きました。カラオケと歌詞があるのは分かる。でもそこに、楽譜と折り紙が入っていたのです。クミコさんや、佐々木さんはこの歌を自分のものではなく、広く知って欲しいと思っている。

私は、一連のエピソードを以前テレビで拝見していたので、ひるみました。歌うということに対してすごい覚悟を決めていらしたからです。

クミコさんのような方でもです。まして私などと思いました。でも、その楽譜と折り紙を見ていて、歌いたい思いがこみ上げました。しかも、時期的にテロの近い日。

重いテーマを、ひとりよがりに、楽しいライブで歌うことなどいいのだろうか。どうしたら私を離れ、歌が伝わるだろうか。

思いの中で、今歌える精いっぱいを歌わせて頂いた。聞いて頂いたというのが、本当のところだったと思います。