わっしょい

昨日、ある方にお手紙を頂きました。
 
源氏物語の明石役を頂いて、兵庫県の明石に伺ったら、源光寺というお寺が  
 
光源氏はもちろん実在しない人物ですが、かつて住んでいたといういわれのあるお寺なんです。
 
しかし明石といえば、阪神淡路大震災の起きた場所。
 
伺った時は、再建された後で、新しいお寺になっていました。
 
私はほぼ知識ゼロで明石に伺ったのですが、源氏千年紀のチラシが貼ってあるのを見て、伺ったところ、とても優しい表情の中年の男性が通りかかり、
 
『中に源氏物語の屏風絵があるから、寄っていかれませんか?』と言って下さいました。
 
襖に、本当に素敵な源氏絵巻が描かれていました。
 
その方はご住職ではなく、お手伝いとおっしゃっていましたが、なんだか仏様みたいにありがたい方でした。
 
源氏物語のお話をしましたら、沢山資料をくださったんですね。
 
それから、折りに触れお便りくださったり、公演にいらしてくださったり、別公演で伺った時に、神戸を案内してくださったり、本当によくして下さいました。
 
そして昨日、なんと私の地元で行われたお祭りを特集したテレビ番組のDVDを送って下さいました。
 
地元のことはかえって分かりません。
 
地元の街は、高齢化も進んで、少し寂しくなっている気がしていましたが、違いました。
 
年配の男性達の団結力、統率力は素晴らしく、誇りと活気に満ち溢れていたんです。若い衆は憧れて、なんとか認めてもらいたいと教えを請う…そういう絆が、しっかり根付いていました。
 
 
なんだか、街を歩いても、気持ちが変わりました。
 
 
その番組は玄侑宗久さんの番組なんですが、玄侑さんが最後、
『わっしょいと言いますけどね、あれは御輿や山車を担いでいる掛け声なんだけど、本当は和を背負うという意味なんですよ』
 
とおっしゃって。
 
お手紙には、
 
『皆が力を合わせて生まれる感動は素敵ですね。お芝居頑張って下さい』とありました。
 
 
今、直前でバタバタしていますけど、本当に大切なことを教えて頂いた気がします。