にんげん

昨日のこと。

六月なのに、涼しい夕方。帰りましょうの音楽が聞こえる。

遊んでるこどもたち、帰る時間だな。

だいたい、稽古やレッスンに行くことがあるんです。この時間にね。ライブのお仕事だと、出かけます。変な気分ですよ、そんなとき。

昨日は家にいられて、なんかしみじみ聞いちゃった。

こどもの目線、こどもの時間、こどもの世界。

こどもと触れると、懐かしくて楽しい。新鮮。でも、それは私の感傷。

こどもは、こどもの社会を精一杯生きている。

そして、驚くほどですが、こどもをみてると、その後ろの大人や社会が見えちゃう。

一番速く、いろんな影響が出るんだって分かる。新聞なんかより鮮やかに肌感覚で伝わる。

こどもは、こどもでいる権利があるんだよね。

それには大人がやらなきゃいけないことがある、て、思った。

こども、こども、て連呼してるけど、小さくても大人にならざるを得なかったら、こどもをやってられないんだもんね。

逆に、大人だって、こどもは沢山います。私なんか、ウラシマ太郎だし、かなりのこどもです。

でも、私とか除いたとして、

大人が大人をやれるには、やっぱり社会がゆりかごになっていなきゃなのね。

社会を待つのは時間かかるから、私は、せめて私をしっかりやろうと思っているのですけど。それこそ、難しいです、はい。

そう。

昔ね、椎名誠さんの写真集をみた時に、人の写真が好きになりました。椎名さんは人間を沢山撮るんです。美人とか有名人、ていうより、普通の人の、すごくいい表情をした瞬間を撮るのね。

一番面白いのは人間です、て言ってた。

私は、人間の写真集より、綺麗な自然の写真集の方が、それまでは好きだったけど、俄然、椎名さんのを見て好きになったな。

名前忘れましたが、特に、ご自分のこどもさんでしたけど、兄弟で髪を切ってる写真は最高でした。

私、人と関わる仕事をしてるのに、人が得意じゃないかも、て思うこと多々あります。距離感もうまくないし、不器用なのは確実です。

でもね、自分の中に答えさがしても、見つからないんだよ、てことは、さすがに分かるようになってきた。そして、自然は大好きだけど、やっぱり、一番面白いのは、人間なのかな、て思います。