ゴドーを待ちながら

今日は、中山一朗さんご出演の
ゴドーを待ちながら」を駒場アゴラ劇場にて拝見してきました!!





白状しますが、お芝居の名前と、ゴドーさんて人を待ってる話だというくらいしか、知らなかったという完全に不届き者の私。

難しいんじゃないか、、と思って行ったのですが、、、


いやー。

面白かった!!!

実はコミカルで。軽さもあり。

コメディなの?て思うくらい、1つ1つのやりとりが面白くて、笑ってしまうシーンも沢山。

でもいつのまにか、深遠なところに連れていかれ、胸を締め付けられるような切ない気持ちと、愛を感じました。

人を待っているお話だったのが、
人生を毎日送るとは何なのか、
というところへ。

一本の木と石しかない、本当にシンプルな舞台で演じられているのに、

シンプルだからこそ、ものすごく丁寧に伝わってきました。

俳優さんが一人一人、もう俳優力が半端なくて。 凄かった。

これを小劇場でかぶりつきで観られるという贅沢さ。

でもあえての選択なのではと思うくらい、作品にぴったりな空間、街だと思いました。

渋谷の喧騒にうんざりしながら向かって、駒場東大前に降りた時。

都会の真ん中とは思えない静かな街がなんだか現実感がなく。

まだ開演前でしたが、劇場に入ってはっとしました。

たった一本の木に当たる光の美しさと、不思議さ。

客席がピリリとしている気がしたのは、インテリジェンスな街や芝居のせいなのか、私もビビりましたが、、

早く始まんないかなーと、私もすでに、ゴドーを待っているような気持ちになりましたから、それも演出のうち?

もしかしたら、この作品を別の機会に観ていたら、堅苦しくて難しいと思ったのかもしれません。

今回観られたことが、本当に幸せだった。

今日はスペシャルで、今回のために新たに翻訳と演出を手がけられた、河合祥一郎さんのアフタートークもありました。

翻訳された時の解釈や、お稽古の裏話、ゴドーは何なのか、キリスト教のお話。

貴重な時間、とても楽しかったです。

河合さん、座組の皆さんの、作品への愛と取り組みの深さにも、本当に感服しました。

またこの作品が、世界中で演じられ愛される意味も分かる気がしました。

改めて戯曲も読んでみたいし、他のゴドーを待ちながらも見たいです。







キリスト教を知ることは、西洋の作品に触れる時、大切だなと改めて思いました。

でも同時に私は、実はこのセットを観た時に、なんだか禅のお寺に入ったかのような、静かな気持ちにもなったのです。

人はどこから来てどこへ行くのか。

生まれて死ぬ。

その当たり前のことが、やっぱり最大の謎だと思います。

こうして、削ぎ落として削ぎ落として、シンプルなところへ行き着くのは、人間皆、一緒なのではないかとも思ったのでした。

しかしですね。

いい舞台を見ると思うんです。。。

私も頑張らねば。

さらけ出しても大丈夫な人間力をつけなければ。

生き方の問題だな。。。

足りなすぎ。

つくづく身が引き締まりました。