夢と欲

大学に入った時、なんで?と思った人が二人いた。

一人は総理大臣になりたい人、もう一人はお坊さん。

勝手に政治家はずるい偉そうな人、お坊さんは人生を隠居した人、てイメージでいた。18才の単細胞な女であった。

明るく温和な中に、熱さをもっている彼は、今はシンクタンクで働いている。政治家になるかもしれない。政治、て、そういうもんだったんだ。身近に感じられる、て素敵だと思うようになった。

でも、僧侶は理解できなかった。本人は寡黙なのに、現れるだけで面白いという抜群のコメディセンスを持ち合わせていた。その人の夢が…

4人のプロジェクトを組んだ事がある。攻撃型の男の子が議論をふっかけ、鋭い女の子が切り崩し、私はあたふたし、ちっともまとまらなかったのだが、彼は静かに聞いて、最後にまとめてくれた。

こらツワモノだ…

が、20代後半、急速に、私自身憧れを持つようになった。それは、自分の弱さから生まれたもので、おそらく彼の思いとは違う。

ただ、彼は当時、既に気がついていたのだろう。何とは明言しない。それが凄いなと思う。

彼は今、医療関係の会社に勤めている。迷った時、たまーにメールをすると、的確な答えをくれる。かなり会ってないが。

声明を聞いていて、浄化されるのは、世の中の小さな事とは無関係な、静かな所にいられるからだ。

が、私は欲深い人間だ。そして、それでいいと決めた時があった。

夢と欲は似ているが、極めてないから迷うんだなと。

出る杭は打たれるが、出過ぎた杭は何ものかになるはずだ。

静かな心になると、クリアーに聞こえてくる。今一番何がしたいのか。何をすべきなのか。

ぐるぐる周りをまわって、ごまかしてやしないか。

さっき死者との対話と言ったけど、実は生との対話なのかもしれない。

今日は長くなりすぎた…