ありがとうございます

予告した画像は、VRに最初に登場する、モノレールの駅から校舎へ向かう道。
現学生の通学路の、メインストリート。

でも、実は私には馴染みがありません。

多摩動物園から歩いて、トンネルをくぐっていました。

行きはモノレールでも、稽古の帰り、やっぱりしっくり来なくて、トンネルで帰りました。

すると、なんだか、この何年も長い夢を見ていただけで、学生に戻った気がして。

いくつか見学して、ここに絶対来たいと入試を受けた。しかし直後、お芝居に出会ってしまった。

入学もとりやめようかと思い。でも、大学だけは出ろということになり。

悩んでいたからか、大学生活や友達との出逢い、勉強がもの凄い刺激的で。ばかみたいに勉強し。現実逃避でもあり、今しかないと思ったからでもあり。

やがてサークルを通じて、横山作品に出逢い。迷いは確信になってしまい。

このトンネルをくぐる度、こんな事してていいのか、思いました。大学にも親にも失礼だし、焦っていました。

卒業する約束で、許してもらった時は、本当に驚きました。あれから今に至るけれど、あの時思っていた自分になれているだろうか。

一人立ちできているだろうか。

過去の私が呼びかけてくる。トンネルの向こうから。

結局、私はずっと、回りに助けられ、生かされてきたようなものだったなと思います。

お芝居の中で、引っかかっていた台詞があり、昨日師匠に伺いました。その時、一般的な意見ではなくて、自分の言葉で、中央大学卒業生に言っていいんじゃないかなあとおっしゃって下さって。

すると、最後の師匠の台詞が全く違って響いてきました。本番は、客席からの空気で、そういう事かと思いました。

当初から、この式典に出させて頂くのはとても恐れ多く感じました。先ほどの理由。そして。

在校生と師匠が出られるのは分かる。でも私のポジションは、いくらでもいる。知らぬ間に、気負っていたと思います。

でも違いました。これは、あてがきかもしれない。

大学時代の迷い。それからの嬉しかった事、辛かった事。努力が足りてない事。
教えて頂いて、経験して今出来るようになった事。

すべて出しきって今まず自分が、この場で役に立てる事を。

私自身が師匠の台詞から光を頂いた時、歌を与えて頂いていました。未熟ながらに好きなことをやらせて頂ける。原点に帰って、歌いました。

黒田先生と卒業後お会いしたのは、ほんの数回です。でもすべて、ご存知だったかのようです。

辛かったり恥ずかしかったり、情けなかったりした思いの中に、答えがあった。
学生の時では出来ない。その間に経験したすべては夢じゃない。宝物だと。

優しい大きな本。先生の凄さを改めて実感しました。

見て下さる方が一人でもいるだけでありがたいのに、こんな素敵で大きな舞台、本当に感謝です。

学校は通過点で、一人一人の歴史なんだな。でも、同じ道を通っただけで分かりあえる事がある。

125年式典はもう今日しかない一度きり。
凄い経験でした。

黒田先生。師匠。サポートしてるつもりが教えてもらった吉岡君。素晴らしい映像を作って下さった凸版印刷。関わって下さった方、見て下さった方。両親。ありがとうございました。