森鴎外
最近、はまっています
我が家には、母が、年とって時間できたらと若い時に買い揃え、いざ読もうとしたら今は老眼になって結局読めないという(笑)文学全集がある。
完全旧仮名遣いだし、茶色の表紙にオブラートみたいな薄い紙がかかってて、さらにケースに入ってます、みたいな本。
小さな字で三段…みたいな…
まあ、ようするに、読みづらい。
だが、中高生の頃、背伸びして、知ったかぶりしたいがためだけに(笑)読んだ。
うわ、名作とかいって、ドロドロしてんなあ〜と思ったのが最初の印象ですね。
教科書に載るようなのが、課題図書の文学だと思ってましたからね。
ともあれ、吉本ばななさんや漫画本と一緒に、面白く感じられるように次第になりました。
吉川英治も、面白かった。
他のバージョンで、家に結構あったのと、好きだったので、夏目漱石は、かなり読みました。
でもね、森鴎外。
全然読まなかった。なんか難しいイメージで。舞姫、女の人かわいそうじゃん、くらいな。
でも読んでみたら、深い。スケールが大きい。
今、私達が当たり前に感じている価値観。
それが実は、明治の転換期にどんどん入ってきたものだった。入ってきたというより、世界中で、価値観がバンバン変わってた時代なんですよね。
形になってるものの変化以上に、きっと価値観、考え方の変化の波は大きかった。鴎外は、それを啓蒙というよりは、いろんな矛盾の狭間に立って、浮き彫りにした人、という気がします。鋭く指摘したというか。
いい悪いではなく、提示した人。
鴎外にしろ漱石にしろ、自分自身で、外国に行って、その目で見て触れて、痛い目にもあってるとこが、やっぱり違う気がする。しかもあの時代だし。
今以上に、外国は外国だったと思う。そこに飛び込んで行ったんだから、凄いですよね。
私が、鴎外に注目したのは、もっと別の理由があったんだけど、それは追々。
また読み進めたいと思います。