青少年自殺防止ミュージカル「つまづいても」

先日、養成所時代の恩師、米田慎哉先生新作のミュージカル、「つまづいても」を観劇してきました。





早稲田大学の構内での無料公演でした。



青少年自殺防止キャンペーンミュージカル。


たった7人の出演者。


極めてシンプルなセット。


シンプルなピアノ演奏。


でもとてもストレートで、見たあと、深くあたたかく心に残る舞台でした。


役者さん一人一人の人間力、俳優力も素敵でした。




キャンペーンミュージカルとかいうと、ちょっと身構えてしまうのですが、とても等身大で身近で、希望や明るさもある素敵な作品でした。


家庭の問題や就活などで悩む、大学生の自殺がテーマだったのですが、私の周りの客席にも学生さんらしき方たちがいて


「実は就活、不安だったから身近だ」

とか

「同じような友達がいる」

とか、


実は言えなかったことを共有するきっかけにもなっていたようです。


先生は、私が在校中から、骨髄移植や、震災復興支援など、社会派のミュージカルを企画されてきました。


近年は、脚本や作詞作曲、時には主演もされて、


自ら格闘されてきた鬱病をテーマにした「やまない雨」


発達障害の子どもたちをテーマにした、「虹色の子どもたち」など、


時代に合わせて、次々と発表されています。


先生はもともと、歌の先生でいらっしゃるし、学校経営もされていましたので、私からすると、本当に先生としてお世話になってきたのです。


が、こうして、創作活動も続けられて、どんどん純度が高く、やりたいことの芯に迫られていっている気がして、クリエーターでもいらっしゃるんだなと、改めて実感しました。


啓蒙というより、普段、口には出せないパーソナルなことを公にして、誤解をなくしていく、そっと心に寄り添うような作品だなと思いました。


そしてそして!


なんと、ダンスの稲吉優流先生にも再会することができました。


米田先生と稲吉先生が企画された公演にもお世話になったことがありますし、


稲吉先生が創作された「千の風になって」のダンス公演にもお世話になったことがあります。


稲吉先生は、もとアロックダンスカンパニーのスターダンサー。

そして、RAKUDO、MEVIUSとカンパニーを立ち上げられ、やはりどんどんご自身でも作品を発表されてきたクリエーター。今も世界中で駆け回って活躍されています。


指導者としても、何万人と熱い指導を続けてらっしゃる方です。


このお二人の再会や、心からの交流を目の当たりにして、とても素敵だなと思ってしまいました。





終わって、稲吉先生が誘ってくださって、ずーっとずーっと飲みました。


私はもともと、先生の踊る姿が本当に大好きなのです。めちゃくちゃかっこいいし、解放感がハンパない。


小柄なのに、なんで?てくらい、舞台に立つと大きくて、広い青空みたいな方なのです。

そして、エネルギーが途切れない。


そしたら、やっぱり、お話も全く途切れなかった(笑)





ものすごくエネルギーがあって、いろんなことに興味を持たれていて。録音すればよかったくらい貴重でした。


作品についても、そこまで見てらっしゃるのかー!と思いました。


例えば


あのピアノは、米田さんの録音だよな。あれは作曲家の意図と、出演者が歌いやすいように配慮して、丁寧に丁寧に録音したんだよ。

じゃなきゃ、あんなにタッチが優しくないもん。


…て、振付家の方が、こんなことまで心を砕いて見ているなんて感動(涙)


え?だって俺、生演奏とかで踊るんだもん。ピアニストの動き見てたらダンスだったんだもん。


音楽もダンスだよ。

だって!


シンプルなこと、アナログなこと。


それが一番伝わるんだよ。


て、ずーっとお話くださった気がします。


私は、長いことオリジナルミュージカルの劇団にいましたし、


やっぱりオリジナルが好きなんです。


既製作品でも、作られた方の顔の見えるところ、丁寧な場所が好きです。


ものづくりの現場や、ものが生まれる瞬間が好きなんですね。


それって、やっぱりまずは人から生まれるわけですよ。


まだ何も生まれていなくても、すごくその人の中に蠢いてるものがあるじゃないですか。


それをもう、ぐわんぐわん、先生から感じました。


貴重な機会、ありがとうございました☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆