リーディング 1

今日、ご紹介頂いて、劇団キンダースペースのリーディングワークショップに伺いました。

芥川龍之介杜子春が題材です。

ステップスのジ・芥川ショウでも取り上げられた作品。

改めて文章に触れると、新たな発見が沢山ありました。

正しい読み方というレクチャーではなく、参加者で割り振って読んだ後に、作品についてお話するという会でした。

高校生から、ご年配の方までいらして、面白い時間でした☆

とても興味深かったのは、唐代伝奇という、芥川龍之介がもとにした原典をご紹介下さった事です。

芥川が書いた杜子春(ご存知ない方すみません)は、肉親の愛を捨てきれずに、声を出してしまう。でも仙人になれなかったことを後悔してないですよね。

原典では、結構違うんです。

まず、春の日暮れは、もとは冬の夕暮れ。

影を掘ってお金が出て、散財して一文なしになるというサイクルを、三回目には改心して、奉仕活動に使って自分は働くんですね。

で、仙人と山の上で再会すると、仙薬の炉がある。仙人は、杜子春に酒と丸薬を飲まされ、絶対しゃべるなと言って去る。

魔性が現れるとこまでは同じなんだけど、奥さんが現れる。
一言喋らないと、奥さんを殺すと言われるけど喋らない。

奥さんは殺され、ひどい奴ということで杜子春も殺される。

地獄であらゆる罰を与えても喋らないので、女として生まれ変わらせる。生まれつき喋れない絶世の美女。

見初められて結婚するのですが、次第に喋らない妻にいらいらした夫が、赤ん坊を石にたたきつけて殺してしまう。初めて、声が出てしまう。

ここで現実の山の上に戻っていて、仙人が激怒する。「もう少しで薬は完成してお前も仙人になれたのに、お前は人間の愛を断ち切れなかった。畜生め、出ていけ!!」

杜子春はその後、喋ってしまった事をものすごい後悔して、山に行ってみても、風が吹いているばかりだった。

最後、桃の花が咲いてるはずの家を仙人からもらう下りも当然ありません。


残酷なようだけど、杜子春のキャラクターに自主性があるし、現実的な気もする。芥川は児童文学に直した部分もあって、道徳的すぎるという意見も出ました。

でも実は、桃の花の咲いてる家というのは桃源郷で、実はその家に行ってもまだまだ仙人になる為の試験が続くという意味なのではという意見も♪