金糸雀の楽団
今日は、お世話になっているピアニスト、土肥弘明先生主催で、老人ホームのボランティアに伺ってきました。
このところ2ヶ月お休みしていたので、久々の参加になります。
土肥先生、奥様、ベースの竹内秀雄さん、今日のボーカルは土肥先生の息子さんの一公さんと私の二人。
お休みしている間に、変化が起きていて。
まだホームに着く前、ホームの前の坂道を歩いていくときから、窓から
「待っていたよ」とか
「いらっしゃい〜」
とか言って下さる入居者の方々が。
そして、ホームの職員の方でも、ピアノを弾きたいと言ってくださる方が既にレギュラーに。
さらに、聞きに来て下さる入居者の方の数が倍になっていたのです。
ご家族が入られているということですが、一公君はホームの夏祭りに参加したり、毎回リクエストを集計したり、ホームの方と交流を深めてくれている。
先生や奥様も、歌詞カードや、似顔絵カードなど、楽しい演出を沢山用意して下さる。
そういう積み重ねがあるからなんだなあと、感動しました。
今日は、とても恐れ多いのですが、土肥先生がピアニカで、私がピアノを弾く曲もあり、まさかの夢のプロとのセッションになり、内心汗をかきましたが…
カズ君の工夫は、本当に学ぶとこ大です。とんぼのメガネでは、とんぼの写真を沢山とってきたり、学ラン着て高校三年生歌ったり…抜き打ちインタビューも、みなさん嬉しそうに答えてらして…
春、始めたばかりの頃に伺った時と、みなさんの表情は全然違っていて、凄く明るいのです。
私は、胸の振り子、魅惑の宵、お祭りマンボを。魅惑の宵(南太平洋)が大好評で、びっくりしました。やはり、この時代の大ヒットミュージカルなんだなあ…凄い作品だなあと思いました。私も大好きですけど、実は初めて人前で歌いましたから不安で。
これからは、曲の力にだけ頼らず深めたいと思います。
終わったあとも、なかなか皆さん離れないで、色々お話して下さる。リクエストも、前は聞くのも恐る恐るだったのですが、自分から言いに来て下さるんです。
歌謡曲から、グレンミラーから、映画音楽から、ミュージカルから、本当に多岐に渡っていまして、すごく興味深いです。
片付けが一段落した頃、昔、ソ連のナホトカや大連で歌っていたという方が、話しかけて下さいました。憧れのハワイ航路を口ずさんで来られたので、その声に思わず、私も、閉じたピアノの蓋を開け、即興でなんとなく伴奏してしまいました。
感動!なんて味わい深いんだろう
先月、パサージュで船を特集した時、歌をなんとなく覚えていたから、弾けたので、良かったです。
ちょっとだけその話をしたら、その方はなんと、横浜から外国航路に出ていた船乗りの方だったのです。ついつい、逆に私が沢山お話を伺ってしまいました。
横浜のお話。氷川丸のお話。歌のお話。
田端義夫さんの帰り舟を、また歌って下さる。
なぜこの方が歌うと、こんなに胸打たれるのか分かりません。私は曲しか知らなかった。だけど、本当はこういう歌なんだと教えて頂いた気がする。
歌っている時のその方は、目が輝いていて、本当に素敵でした。
今度は皆さんの前で歌って下さいと言ったら、それは恥ずかしい、ただ、童謡は歌詞を配ってくれたら、忘れてしまったからとおっしゃって…ああきっと、この方は歌を聞いたら歌いたくて仕方がなかったんだ…みなさんきっとそうなんだ…
こういうひとつひとつの会話を、あとで先生やカズ君にお伝えして、次に繋げていきます。
今回、歌は、架け橋になるんだ、やっぱり音楽、て凄いんだと思った。
それと密かに横浜物語、やってて良かったと思いました。でもやっぱり、本当の歌の意味というか、味わいは、今日初めて知りまして、浅い自分を思い知りました。
いや〜やっぱりこの老人ホームの慰問は、学ぶことばかり。
帰り道も、窓から
「また待ってるよ〜」とか
「ありがとう」とか
皆さん声かけて下さって、泣きそうでした…
本当にありがとうございましたm(_ _)m